Duo Ueda Offermans
数々の国際文化交流事業をプロデュースしてきた経験と、日蘭の歴史的交流に関する興味より動機を得て、デュオ・上田/オッフェルマンズは、2007年の春にこの国際文化交流事業BSXキャラバンの企画を開始しました。下記に、この2人のアーティストに関する情報、彼らのユニークなデュオ・コンサート、過去に行ってきた文化交流事業に関する情報がご覧いただけます。
デュオ・上田/オッフェルマンズ
オランダのフルート奏者/作曲家のウィル・オッフェルマンズと日本の薩摩琵琶/声明家の上田純子は、1988年よりデュオの音楽活動を始めました。彼らの音楽活動では、常に、それぞれのバックグラウンドである西洋と東洋の音楽の様相が摩擦し合う領域、そしてそれぞれの音楽の智慧を分かち合うことができる領域を探求し続けています。デュオのコンサートでは、それぞれのソロ演奏とデュオの作品/インプロヴィゼーションから成っています。
近年このデュオは様々な音楽祭に参加しました(例:ミュージック・アクション・ナンシー/フランス、シンガ ポール芸術祭、ケベック夏の音楽祭/カナダ、ミドルブルグ現代音楽祭/オランダ、ボゴタ現代音楽祭/コロンビア、他)。また、世界各地にて長期に渡るコンサート・ツアーを行ない、現地の音楽家、作曲家との交流を深めました。様々なソロ作品発表の後、「How to Survive in Paradise」「出島組曲」などのデュオCDが発表されました。
さらに詳しい情報は:uedaoffermans.com
上田純子・うえだじゅんこ ー 薩摩琵琶/声明

1988年、ヨーロッパに移住。オランダ(アムステルダム)とスペイン(グラナダ)拠点として、薩摩琵琶古典、声明、自作自演のソロ・コンサート、そして声明ワークショップを様々なシチュエーションで繰り広げている。また数々の音楽祭にも参加している(例:第17回トロネット国際中世音楽祭/フランス;第8回インターナショナル・リュート・フェスティバル/テトゥアン・モロッコ; エスノマッド・フェスティバル/ジュネーブ・スイス;伝統宗教音楽祭/イェレバン・アルメニア;ウラティスラブ・カンタンス/ウロッツワフ・ポーランド;古楽音楽祭/ユトレヒト・オランダ;他)。比叡山にてライヴ録音されたソロCD「平家物語」(AIMP/スイス)はパリのアカデミ・シャルル・クロ・ディスク・グランプリを、そして、琵琶古典と武満徹の作品を収録したCD「薩摩琵琶」(Arion/パリ、シリーズ Ethnomad /ジュネーブ)は「Le Monde de la Musique, Paris」の Choc 賞を受賞する。
上田は武満徹の琵琶のための作品の演奏をスペシャライズする。そして、薩摩琵琶と声明のための新しい作品の誕生にも積極的に貢献している。作曲家ジャン・クロード・エロア、シュウ・シャオソン、原田敬子、内藤明美、等が彼女のために曲を書いている。そして、チェロのヨーヨー・マ、オランダの現代音楽グループ・ニュー・アンサンブル等と共演し、数々の現代音楽祭も参加している(例:パリ秋の音楽祭/フランス;ワルシャワ秋の音楽祭/ポーランド;ムジカ・ストラスブルグ/フランス、他)。
さらに詳しい情報と演奏サンプルは:junkoueda.com
Wil Offermans・ウィル・オッフェルマンズ ー フルート/作曲

オランダ・マーストリヒトに生まれ、ブラバンツ・コンセルヴァトリーにてクラシック・フルートと即興演奏を学ぶ。1985年8月から1986年3月にかけて彼は「ラウンド・アバウト12.5」と題する7ヵ月間に渡る世界一周フルート演奏旅行を成し遂げた。このプロジェクトで彼は18ヵ国(ヨーロッパ、アフリカ、アジア、北南アメリカ)を訪れ、ソロ・コンサート、現地の音楽家との共演、ワークショップ、ラジオ・テレビ出演を行うとともに、各国の民族音楽におけるフルートの調査・収集にも多大な成果をおさめた。80年代後半には、彼は度々日本を訪れ、ソロコンサートをはじめ多くの日本の演奏家との共演を行っている。オッフェルマンズはその後も世界各地でソロコンサートを中心とした積極的な演奏活動を行なう。
演奏活動の一方、フルート現代奏法をテーマとした、大学、音大での講演・ワークショップを展開している(ハンブルグ高等音楽院/ドイツ、グローニンゲン・コンセルバトリー/オランダ、アントワープ・コンセルバトリー/ベルギー、国立音楽大学、ニューイングランド・コンセルバトリー/ボストン、ミシガン大学/USA、上海コンセルバトリー/中国、フルート・フェスティバル/フランクフルト、ボストン、ボスウィル、福岡、ラスベガス、その他)。彼の著作「現代フルート奏者のためにー現代技法に関する12の練習曲」(ツィマーマン;全音楽譜出版社/CD付)は、全米フルート協会より年度ベスト出版物に選ばれた。「奏法のための奏法に終わるものではなく、素材の借用という次元を越えて、一本の笛を吹く行為を肉体化する試みの中に極自然に溶け込んでいく」(パイパース)と評された。さらに、彼の著作「フルート・音あそび」(ツィマーマン;全音楽譜出版社)、「即興演奏カレンダー」(ツィマーマン)等を題材とした音楽学校の子供たちとのワークショップをヨーロッパ、アジア各地で行ない、その創造性を重視した音楽教育への熱心な取り組みが各地で多大な好評を成果を得ている。彼の著作物や楽譜は、ドイツ・フランクフルトの出版社ツィマーマン、全音楽譜出版社、韓国のSejong出版より出版になっている。彼のCDはE-Records(アムステルダム)、BVHaast(アムステルダム)、そしてVDE-Gallo(スイス)より発売になっている。
1992年より毎年ベルギーとスペインにて「フルート・サマー・コース/現代フルート奏者のために」を行っている。1994年にフルート演奏における現代的、文化交流的なアプローチを推進する目的で、フルート・トレーニング・センター「ザ・マジック・フルート」と同名のフルート・アンサンブルを設立する。1997年より、フルート学習のための教材と演奏会のための新しい楽器として、親指笛「 サムピー」を製作する。1998年より、ヨーロッパ各国の優れた若手フルート奏者を集めたヨーロピアン・フルート・アンサンブル「eWave」をリードする。eWave は2004年に欧州連合の援助を受け、ヨーロピアン・プロジェクトとしてヨーロッパ各地の作曲家の作品を演奏すヨーロッパ・ツアーを行う。このプロジェクトで彼は、アムステルダム現代音楽協会ガウディアムスの委託作品「OnTheMove」を作曲する。1998年に日本の歌のアレンジ曲を含んだCD「メイド・イン・ジャパン」を発表。98年秋、99年春と秋に日本全国にて「メイド・イン・ジャパン」コンサート・ツアーを実施する。2001年2月、日蘭交流400周年記念において、長崎に捧げる曲として「出島組曲」を作曲。長崎市民の声のコーラスとともに初演を行なう。2001年、ブラバンツ音楽院講師。2002年にオランダ・フルート協会よりカウパー賞を受賞。2003年よりスペインのグラナダにて音楽アトリエを開設する。
さらに詳しい情報と演奏サンプルは:wiloffermans.com
上田/オッフェルマンズのプロデュースによる文化交流事業
下記に、ウィル・オッフェルマンズと上田純子がプロデュースしてきました様々な文化交流事業を紹介します。
ラウンド・アバウト12.5: ウィル・オッフェルマンズによる、7ヶ月間に渡る世界一周フルート演奏旅行。このソロ・プロジェクトで、彼は18カ国(ヨーロッパ、アフリカ、アジア、北南アメリカ)を訪れ、コンサート、現地の音楽家との共同作業、および世界の民族楽器フルートの研究を行いました。
12xおらんだ: 2000年より毎年恒例の、芸術を人と人とのコミュニケーションの橋渡しとした文化交流事業。オランダと日本の間の歴史より動機を得たこのプロジェクトでは、オランダ人芸術家/専門家を一ヶ月間長崎県平戸市に招待します。そして彼らは、平戸市民と、それぞれのテーマによるワークショップ、学校訪問、展覧会、コンサート、 発表会を通して交流します。
eWave: 現代ヨーロピアン・フルート・アンサンブル「eWave」 は、ヨーロッパのフルート奏者と作曲家の共同作業の場です。ヨーロッパ共同体がさらに拡張され一体化されるとともに、ヨーロッパの豊かな文化の多様性が、 対立、交換、総合化の経過を通して活性化されてきました。このヨーロッパの文化相互作用に参加することを目的に、eWaveアンサンブルは1998年の夏 に、ウィル・オッフェルマンズを芸術監督として結成され、さまざまなヨーロッパの国々で演奏を繰り広げています。
世界中での演奏旅行:デュオ・上田/オッフェルマンズは世界中で多くの集中的な演奏旅行を繰り広げ、重要な音楽祭や、多数の異なる文化や状況での音楽指導活動に当たり(プロフェッショナルから子供たちまで)、数々の録音や著書/楽譜が出版されています。
グラナダの音楽スタジオ:デュオ・上田/オッフェルマンズはスペインのグラナダに音楽アトリエを開設しました。アンダルシアとしてよく知られているこの地域は、その文化交流の歴史と力強い自然で有名です。ここから彼らの音楽を世界中に向けて発散しています。